哲学から美学へと文学的昇華を遂げて。
詩にふれる時間が自然と日々のなかに溶け込んでいきました。
八木重吉の詩は、いつ目にしても心が浄化されます。
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『うつくしいもの』
わたしみづからのなかでもいい
わたしの外の せかいでも いい
どこにか「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが 敵であつても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るといふことが 分りさへすれば
ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ
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ちなみに、重吉本人が編纂した詩集は『秋の瞳』と『貧しき信徒』の二冊のみです。
どちらも青空文庫でオンライン公開されており、わりと短時間で読むことができます。