日本の美意識は世界から高い評価を得ています。
19世紀には日本芸術はジャポニズムとして西洋諸国に大きな影響を与えました。
例えば、日本をこよなく愛し、日本人に憧れた天才画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。
ゴッホは弟のテオあての手紙の中で、以下のように述べています。
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日本の芸術を研究すると、紛れもなく賢明で、達観していて、知性の優れた人物に出会う。
彼が研究するのは、たったひと茎の草だ。
しかし、このひと茎の草が、やがては彼にありとあらゆる植物を、ついで四季を、風景の大きな景観を、最後に動物、そして人物像を素描させることになる。
彼はそのようにして人生を過ごすが、すべてを描くには人生はあまりにも短い。
そう、これこそ、かくも単純で、あたかも己れ自身が花であるかのごとく自然の中に生きるこれら日本人が私たちに教えてくれることこそ、もうほとんど新しい宗教ではあるまいか。
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また、フランスの思想家ロラン・バルトは、世界のあるがままの姿を記述する俳句には、何ものにも汚されていない圧倒的な客観美があると述べています。
(零度のエクリチュール)
西洋の文化人が日本芸術に見出したのは、その純然たる美の表現形態。
主観性を徹底的に排したかのように映るその様式美は、向こう側に存在するであろう真美に最も近い芸術形態であると評価されました。
この日本固有の美意識、ひいては真美の感受力の研究に取り組み、日本人文知の発展に寄与する。
祐音文芸研究所はこういったコンセプトを元に設立されました。