美しい言葉に触れる
大事なのは語る内容よりも、むしろ語り口や言い回し。
これはセンスも絡みそうですが、修練法もあります。
美しい言葉に触れること、あるいは美について考える時間を持つことです。
できれば、そういう環境にいる人たちのみと付き合うことです。
それが難しければ、そういう人たちと一緒にいる時間を増やすことです。
私にとって美しい言葉は、音楽や美しい詩。
例えば、美をダイレクトに詠んだ詩をひとつ。
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『美しいもの』 木村淳子
美しいものはまだまだあるが
いちばん美しいのは
槍で突かれて血を流すこころ
流れ出る血のしずくは
初冬の空に紅いナナカマドの実となり
私たちを高みへと引き上げてくれるだろう
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詩は「発露」を促す
詩は説明を嫌います。
説明しようとするあり方を嫌うとでもいうのか。
すべての説明や解釈は後づけで語られるものです。
言うなれば、詩はその発露を促す美しき言の葉の源泉。
もちろん詩も説明的な語り口を含む場合はあります。
しかし、それらはあくまでも独自の心象風景や物語の色彩といった全体の世界観に取り込まれたものです。
そこに説明しようというあり方から発せられる自分語りに感じる類いの圧はありません。
機微を読み取る感性を研く
真美の探求として詩を深めること、その価値をあえて言葉にするならば。
答えのない問いに向き合い、心豊かに思索する道にて、まったく新たな知の光景を現出させる。
それは、水が高いところから低いところへと流れるように。
美の探求から紡がれた言葉が醸し出す息づかい、あるいは粋と気遣いは、現実のビジネス場面において、大きな差となって表れてくるはずです。
詩は機微を読み取る感性を研いてくれるものですから。
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