何を学ぶか以前に学び方を知る

[知の世界の構造 004]

現代に生きる私たちの思考回路は、深いレベルで西洋知の洗脳を受けています。

しかし、東洋知から見れば、西洋知は言葉による「分別」で真理を汚しているだけ。

例えば、ビジネスや教育のあり方もそうです。

理解してから上に伝えるとか、下に合わせて教えるとか。

これらはすべて自分を基準とした、自己都合で優劣をつけた分別。

何が得られるのか、どう落とし込むのか、こうした答えやベネフィットを他人に問う行為、その分別そのものが西洋的とも言えましょう。

一方で、東洋には、そもそも西洋的な「教育」という概念がありません。

むしろ、東洋は「教えない」という教え方。

そのため、西洋の先生と生徒の関係と、東洋の師匠と弟子の関係は異なるものです。

知識に優位性のある者が、無知の者に教えてあげるという関係か。

自ら体得するために「教えず、教わらず」というあり方の関係か。

人から強制されて学ぶことを、学びと考えるのか。

真に学ぶべきものを、自らの力で学んでゆくのか。

自分の理解が追いついていないと言って、やらない理由を探すのか。

ついていけるかどうかではなく、つねに「今ここ」にある最高到達点に向き合うのか。

何を学ぶか以前に学び方を知ることが大切です。

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▼COLUMN:知の世界の構造

[001] なぜ現代人は考えを否定されると怒るのか

[002] 思考で終わらない哲学

[003] 勝者と敗者が必ず出てくる世界観

[004] 何を学ぶか以前に学び方を知る(このページ)

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